特徴
薄膜の界面で発生する反射光の干渉現象を利用した干渉フィルターです。特定の波長を任意に選択透過させることができます。
ソフトコートは高温・高湿などの環境下では劣化しやすいです。使用環境や用途によっては、耐久性に優れたハードコートのバンドパスフィルターをご提案させて頂きます。
当社ではMIF(金属干渉フィルター)とDIF(全誘電体干渉フィルター)を取り扱っております。
規格特性としまして下表に掲げるものがあります。
このフィルターは阻止帯を広げる為に、下図のように複数のフィルターの組み合わせて構成されます。ソフトコートの場合は通常、LPFには色ガラスを使用します。色ガラスの吸収により紫外~可視光域を阻止することが出来ます。
MIF及びDIFは標準で阻止域が決まっておりますが、さらに広げることは可能です。一方ハードコートのバンドパスフィルターでは単一基板での対応が可能です。
MIF(金属干渉フィルター)
硝子板や石英板上に、半透明金属膜、透明誘電体膜、半透明金属膜の3層構造を形成し、その上に硝子、石英などを張り合わせたフィルターです。この2つの金属膜の光学的な間隔が、特定の波長の1/2またはその整数倍のときにその光をもっとも多く透過し、他の光を殆ど透過しません。透過帯のすそ切れ程度に依ってS型とW型があります。
特性規格 S type
製作波長範囲 (nm) |
最大透過率 (%) |
半値幅 (nm) |
中心波長公差 (nm) |
寸法規格 (mm) |
直径 |
角 |
376~405 |
25~45 |
≦18 |
±3 |
15、20、
30、40、
50 |
50×50 |
406~475 |
30~45 |
≦13 |
±3 |
476~705 |
30~47 |
≦13 |
±3 |
706~955 |
30~45 |
≦20 |
±4 |
956~1195 |
28~45 |
≦35 |
±4 |
1196~1500 |
28~45 |
≦40 |
±5 |
特性規格 W type
製作波長範囲 (nm) |
最大透過率 (%) |
半値幅 (nm) |
中心波長公差 (nm) |
寸法規格 (mm) |
直径 |
角 |
210~230 |
10~25 |
≦20 |
±3 |
15、20、
30、40、
50 |
50×50 |
231~260 |
15~25 |
≦20 |
±3 |
261~315 |
15~25 |
≦25 |
±3 |
316~375 |
15~25 |
≦30 |
±3 |
376~395 |
30~40 |
≦25 |
±3 |
396~455 |
35~48 |
≦20 |
±3 |
456~595 |
35~48 |
≦15 |
±3 |
596~700 |
35~48 |
≦20 |
±3 |
DIF(全誘電体干渉フィルター)
MIFの半透明金属膜を誘電体多層膜に置き換えたタイプです。誘電体多層膜は透明度が高いため、透過率が高まりますので、透過光の波長をシャープに限定することができます。半値幅が狭くシャープな透過特性のA/B/C typeと、半値幅が広いBPF typeがあります。
用途
蛍光分析、ラマン分析、医療、モノクロメーター、レーザー、光通信、天体観測、各種センサーなど
中心波長の定義
バンドパスフィルターの中心波長(λ0)の定義については、下記2つのタイプに大別されます。
ソフトコートのバンドパスフィルターについては対象製品によってタイプが異なりますので、ご参考にして頂ければと思います。
ハードコートのバンドパスフィルターについてはお客様のご要求に合わせて設計します。
タイプ①
タイプ②