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光学薄膜の設計とは?

「光学薄膜の設計」とは、家の設計図のように、光の干渉を利用した光学薄膜の設計図です。お客様のニーズに合わせた光学特性を作るために、全体の層数・使用膜材料・積層パターン・各層の膜厚(光学膜厚)・蒸着プロセス等が決められます。
光学設計の主な項目

光学薄膜の使用用途・機械的強度耐性 ・環境性能及び仕様難易度等を考慮 |
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蒸着・成膜プロセスの決定 |

数ある膜材料の中から屈折率・膜応力 ・機械的強度・光学特性・均一性等を考慮 |
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膜材料の決定 |

仕様特性・再現性・膜材料の 相性耐化学薬品性等を考慮 |
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積層パターンの決定 |

仕様品種(BPF,LPF,SPF,AR等)から透過率・反射率計算及び仕様特性をターゲットに、膜厚(膜 屈折率)を最適化計算 (自社シミュレーション・ソフト使用) |
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各層の膜厚 (または屈折率)を決定 |
光学薄膜設計に使用する主な理論

光学薄膜の光学計算や最適化シミュレーションを駆使して設計するためには、不可欠な理論があります。歴史をさかのぼってみると、Snellの屈折法則・Youngの光干渉原理・Maxwellの電磁気論等、薄膜技術者でなくとも、とても有名な理論を使用しています。これらすべて19世紀末には作られていたのに驚きます。さらにこれらの理論を背景に、光学多層膜コーティングの性能を解析するために、マトリックス法があります。マトリックス法とは、ベクトルの要素で多層膜の反射率・透過率・吸収率及び位相の変化を求めることができます。詳しく説明すると異なる屈折率や膜厚で構成された多層膜は層の境界で反射が生じるため、複雑な多重反射が生じます。多層膜全体の強度透過率Tは、各層の境界で電界と磁界の境界条件を満たすたすように、2×2の伝達行列の積をとることにより次式で表せます。


現在の光学多層膜コーティングの性能を解析する計算機プログラムは、殆どこの手法に基づいています。当社のシミュレーションソフトにも使われています。
これとは別に、予め設計仕様の光学特性が決まっていて、この仕様を満たす多層膜構造を求める自動設計法があります。自動設計法には、シンプレックス法・遺伝アルゴリズム・ニードル法等多くの最適化理論が使われていて、それぞれ最適化手法や収束の仕方に長所や特徴があります。現在世界で多くの研究者や技術者が最適化理論に関して研究しています。この最適化理論と上記の光学特性計算法をまとめたプログラムにて、日々設計シミュレーションを行っています。
日本真空光学設計技術

設計仕様から設計値を求めることは、解の一意性や対応する設計解がない場合や仕様を満たす解が複数解存在する場合があります。また最適化理論が進歩しているとはいえ、未だ初期値依存性が大きいのが現実です。仕様光学特性だけでなく、再現性よく安定して生産するためには、設計の重要性は大きいです。当社は創業45年来培われてきた仕様品種別の設計パターン、長年の経験、ノウハウ、また使用する膜材料に関する光学定数のデータベースも充実しています。また、当社では市販シミュレーションソフト以外に独自開発した光学シミュレーションソフトで設計しています。
設計から成膜へ

最近高性能な成膜装置が数多く登場しています。しかし高性能な成膜装置でも設計値そのまま成膜しても仕様特性がでることは少ないのです。要求された仕様特性が厳しければなおさらです。各膜材料ごと(または各装置ごとの場合も必要かもしれません)のツーリングファクター・光学定数等を求め、その結果をフィードバックして再設計します。そうして製品を作り込んでいきます。
下図は設計値と実測値との比較図です。



品種 : ビームスプリッター
膜材料 : Ta2O5/SiO2
蒸着プロセス : イオンアシストデポジション

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